ピッチ補正ソフトの定番、Melodyne。
Melodyne 5 は「essential」「assistant」「editor」「studio」とエディションごとに出来ることが増えていきます。エディションの比較は公式ページをご参照ください。
Melodyne 5 新機能の使い方の説明をします。
*ここでの画像はMelodyne 5 Studioを使用しています。
基本的な使い方は→Melodyne 4/Melodyne 5 の使い方1 からどうぞ。
詳しい使い方は→Melodyne 4/Melodyne 5 の使い方2 からどうぞ。
(使い方はMelodyne 4とMelodyne 5では変わっていません。)
歯擦音バランスツール

歯擦音と息継ぎを自動で検出(ノートに縦線が入ります)してくれます。
(歯擦音とは、サ行などを発声するときの歯の隙間から漏れる音です。)

歯擦音が表示されない場合は右上のオプションから歯擦音を表示にチェックを入れてください。

歯擦音バランスツールは、歯擦音を変更したいノート(音)をクリックして、縦線が入っている部分を上下にドラッグで歯擦音を調整します。

上にドラッグすると母音部分が小さくなります。

下にドラッグすると歯擦音が小さくなります。
つまりディエッサーを立ち上げなくても、歯擦音ツールで直接に「S」の音を調整できます。
この機能のすごい所は、歯擦音や息継ぎを必要な箇所だけ、個別に調整できるという事ですね!
もちろん、ドラッグで選択した箇所を一気に調整できます。

ピッチツールでピッチを変更しても歯擦音や子音のピッチに変化・影響は無いので、より自然な調整が可能です。

タイムツールで左右にドラッグしてノートのを伸ばしても歯擦音は伸びません。

ノートを一定以上縮めると歯擦音は自然な長さに縮まります。

歯擦音の長さは意図的に変えられませんが、息継ぎの長さは変えられます。
左右にドラッグすることで長い息継ぎにしたり、短い息継ぎに調整できます。

息継ぎを上下にドラッグで音量を調整して、自然な仕上がりにしましょう。
フェードツール


フェードツールは、ノート(音)の前半部分をダブルクリックするとフェードインが作成されます。

フェードの長さを調整するには、左右にドラッグします。


上下ドラッグすることで、フェードインのかけ具合を調整できます。

ノートの後半部分をダブルクリックするとフェードアウトが作成されます。
同様に左右にドラッグすることでフェードの長さを調節、上下ドラッグすることでフェードアウトのかけ具合を調整できます。

1つのノートにフェードイン、フェードアウトを追加することもできます。
フェード効果を削除するには、再度ダブルクリックするだけです。

フェードツール以外のツールを選択すると、フェード表示は消えてしまいますが、常にフェード効果を表示しておくことができます。

右上のオプションからフェードをにチェックを入れます。

こうすることで、タイムツールで音の重なりを調整できます。
個別にフェードをかけることができるので、細かいオートメーションを書かなくて良いということですね!
より自然なピッチ分析
Melodyneの公式ページには「音楽的重み付けピッチ分析」とあり、難しく聞こえますが簡単に言うと、ノート(音)のピッチ補正が、より自然に補正ができるようになりました。


ピッチツールでノートをダブルクリックすることで、「音程は合っているのに、なんだか変に聴こえてしまう」という場合に、その原因となる一部分の音程を特定して補正してくれます。
Melodyne 4まではノートの音全体の平均ピッチで計算されていたものが、その音の聴こえ方に影響する重要な部分を中心に計算して、補正されるようになりました。


ピッチ補正マクロでも反映されるので楽曲全体に自然な補正をかけることが可能ですね。
レベル調整マクロ

レベル調整マクロは、ダイナミクス(音量差)を調整することができます。
ノート(音)を選択しない場合は、楽曲全体に調整がかかります。
ノートをドラッグして、選択した音のみを調整することもできます。


「小音量のノートを大音量に」は小さな音を大きくします。


「大音量のノートを小音量に」は大きな音を小さくします。
これにより簡単にダイナミクスを平均化することができます。
Melodyne 4までは個別に手動で行なっていたダイナミクス調整が、一括で行えるようになりました。
もちろん、今まで通り個別調整もできるので、必要に応じて行なってくださいね。
コードトラックとコード検出

ポリフォニック楽器を取り込むとコード解析が行われます。

コードトラックがない場合は、オプション > 和音を表示 からコードトラックを表示させます。

コードがわかっていれば、ダブルクリックしてパソコンキーボードをタイプで直接打ち込みます。オンコードの表示も可能です。

コード解析が行われない場合は、編集 > コードとキー>コードを分析 から、反映させます。
DAWにコード表示がある場合、編集 > コードとキー>DAWのコードを使用 から、反映させることができます。(Logicではおそらく不可能)

コードが違う場合は、コードトラックを右クリックから代替案を選択したり、ダブルクリックで書き込んで直すこともできます。

コードネームを右クリックして「和音を試聴する」を選択して、表示されているコードをクリックすると、ギター音で試聴できます。

設定 > 環境設定から表示スタイルを変更することもできます。

ピッチグリッドオン/オフと設定から、

「和音」に設定すると、通常のピアノロール表示からコードが一目でわかる表示になります。
コードに含まれる音は白で、そのコードに含まれない音はグレーアウトされます。

コードスケールスナップを有効にすると、ノート(音)が各コードにスナップ反映されます。ノートを上下して移動させるとノートは白の上に配置することができます。

半音スナップを有効にするとグレーアウトした箇所にノートを配置することができるので、コードに含まれていない音も使用できます。

コード表示を変更(ここではGからFに)すると、

背景が変更後(ここではG)のコードに適応されます。

変更したいノートを選択して、

ダブルクリックするとそのコードに瞬時に反映され、簡単にコード変更ができます。
もちろん手動で白部分にノートを配置しても良いです。

コードスケールを有効にすると、

コードには含まれていないけど適合する音が白で表示されるので、アレンジのヒントになりますね。
パーカッシブ(ピッチ)

一定の音程検出だったパーカッシブですが、

音程のあるリズム楽器は、「パーカッシブ(ピッチ)」で検出することで、

音程表示がされるようになりました。
パーカッションのピッチ調整が可能になりますね。