ハモリは、一概にこれ!と言えないのですが、その理由は、楽曲(メロディ・伴奏)によってハモらせ方を変えた方が良いからです。
*「ハモリの作り方の手順」はこちらで詳しく説明していますのでご参照ください。
使う音は調(スケール)、音階に依存するので、聴きながら気持ちの良い音を選択していくのが良いと思います。
ここでは一般的によく使われる、私がいつも使っている作り方(仕組み)をいくつかご紹介します。
音名はCメジャー(ドレミファソラシド)を基準としてお伝えしますね。
「度」とは?
音と音との間隔のことを「音程」と言います。その間隔を「度数」で表します。

ドに対して、2度上はレ、3度上はミ、4度上はファ、5度上はソ、6度上はラ、7度上はシ、8度上は1オクターブ上のドとなります。

ドに対して、2度下はシ、3度下はラ、4度下はソ、5度下はファ、6度下はミ、7度下はレ、8度下は1オクターブ下のドとなります。
3度でハモる
一般的には3度下、3度上にハモらすのが簡単と言われています。
よく聞く「下ハモ、上ハモ」というのはこれを指すことが多いです。

ドに対して3度下はラ、3度上はミとなります。
ただ、ずっと平行に3度のまま続けていくと違和感になる箇所が出てきます。その部分をもう一音上げ下げしてみると違和感なく上手くハマる場合が多いです。
上下どちらにハモリをつけるかで印象が変わるので、両方聴いてみましょう。
3度下のハモリをつけた場合。
夜に駆ける/YOASOBI
3度上のハモリをつけた場合。
夜に駆ける/YOASOBI
4度、5度、6度を組み合わせる

3度だけではなく、4度(ドに対して下はソ、上はファ)、5度(ドに対して下はファ、上はソ)、6度(ドに対して下はミ、上はラ)を、組み合わせて作ります。
ボッカデラベリタ/柊キライ
2度をうまく使う

2度(ドに対して下はシ、上はレ)は「わざとぶつける箇所」として、アクセントの意味合いで使うと良いです。使い所を間違えると不協和音になって気持ち悪く聴こえるので多用は避けましょう。
Henceforth/Orangestar
オクターブ上、オクターブ下

オクターブ=8度ですが「オクターブ」と呼ぶことが多いです。
メロディライン(メインパート)のオクターブ上、オクターブ下です。いわゆる「同じ音を奏でるユニゾン」になり、オクターブ違いにすることで深みが出ます。
アスノヨゾラ哨戒班/Orangestar
部分的にソロにする
ハモリがたくさんある時に、メロディライン(メインパート)をあえて部分的にソロにすることで、締まります。
夜明けと蛍/n-buna
ハモリラインを上下させる
ずっと上ハモ、ずっと下ハモだけでなく、メロディに対してハモリラインを上下させることで、一味違った演出ができます。
だれかの心臓になれたなら/ユリイ・カノン
メロディとは逆方向へ

メロディライン(メインパート)とは逆方向へ音を入れることで、広がりなど演出できます。
1:メロディーが下がっていくのに対して
2:ハモリは上がっていきます
3:メロディーが下がっていくのに対して
4:ハモリは上がっていきます
ジャンキーナイトタウンオーケストラ/すりぃ
メロディとは別のライン
メロディライン(メインパート)の動きに関係なく、副旋律(サブメロディ)を作ることでオリジナリティを演出できます。
永遠甚だしい/獅子志司
和音の転回

ドミソ(ドがメロディ)の場合、ソドミ、ミソド、という風に和音を転回させて、印象を変えることができます。
1番と2番のラストを聴き比べてみてください。
少女レイ/みきとP
3和音以上の時は7の和音、9の和音

ドを基準とした3和音はドミソです。

3和音以上の時は、7の和音(ドミソシ)

9の和音(ドミソシレ)
このように、基準をドの音としたらドミソシ、ドミソシレのように、7の和音・9の和音の中から選ぶと綺麗に聴こえます。
KING/Kanaria
まとめ
お伝えしたコツを組み合わせることで、豊かなハーモニーになると思います。
低すぎたり高すぎるもの、ハマらない箇所は、あえてハモらないという方法もありますね。
一番大切なことは、メロディ・伴奏と合わせて聴いて「気持ちが良い音」となっていることだと思います。
YouTubeでハモリ練習・参考動画(パート別に聴けます)を出していますので、よかったらご参照ください。